『売れなくて困っています』
『なんとかして売れないでしょうか』
こういった相談を受けたことは何度もありますし、実際困っている状況というのは本当に苦しいですよね。
すごく分かります。
安心して眠れないですし、絶えず不安が襲ってきますし、生きている心地がしないなんてこともあるのではないでしょうか。
だからこそ、まずは冷静になって分析してみる必要があります!
売れなくて困っている状況においてまず考慮すべきこと。
それは、以下のどちらに該当するかをまず把握することです。
ここは段落ブロックです。文章をここに入力してください。
- コンセプトは良いけれど、全く認知されていない状態
- コンセプトは良いのにターゲット客へのアプローチを間違えている状態
つまり【今は売れていない】状態 - コンセプトそのものが悪い
- 商品内容、サービス内容に対して需要がない
【そもそも売れない】という状態
いかがでしょうか?
もしも、そもそも売れない商品やサービスにも関わらず、売れるためにどうしようかと悩み苦しんでいるとしたら、貴重な時間もお金も無駄にしてしまいます。
そんな場合にも少しの工夫で変わるチャンスもありますし、思い切って【売れる】ものを扱うという道へ進むこともできますから、まずは冷静に分析することが大切です。
顧客が得られる価値から逆算して考えてみよう
提供している商品、サービスは最終的に顧客に対してどのような〝価値〟をもたらすのかをまず考えてみましょう。
自社商品の特徴を列挙したり、こだわりを熱く語る前に、顧客の視点になって考えることが何倍も大切です。
- 顧客は最終的にどんな結果を得られるか?
- その結果によって顧客はどのように変化するのか?
- 顧客はどんな感情になっているのか?
ここが明確に分かる状態でなければ、提供する商品やサービスが売れることはありませんし、仮に売れたとしても一進一退のまま苦しい状況がずっと続くのではないでしょうか。
大きく拡がることやリピート購入に繋がることは期待できないと思っていただいて間違いないでしょう。
商品やサービスへのこだわりは大切ですし『より良くしたい!』という職人気質は大好きなのですが、その大前提として
- ターゲットとなる顧客層が本当に求めているのは何か
- どのような結果を手にすることで満足するのか
- 求めている結果に対する解決策や情報を、どのように表現することができるか
これらがとても重要になります!!
既存顧客に対して実際にヒアリングをしてみることも、上記内容を深く理解するための重要なステップになります。
予防系、将来の痛みへの対策だけでは売れにくい
予防医学、素晴らしいですよね!!
人生100年を健康に生きるために『○○を毎日飲みませんか?』なんていうセールスを私も最近受けましたよ。
全く興味が湧かず、買いませんでしたが・・・
健康が大切なこと、病気にならないために日頃から予防することが大切であること、誰でも分かってますよね!
でも、そう簡単には売れない!!
それはなぜなのか!?
別の事例も交えて考えてみましょう。
では早速質問です。
- 定期歯科検診には最近いつ行きましたか?
- 健康を維持するための食事指導や栄養指導を〝お金を払って〟最近受けたのはいつですか
健康への意識が高い人などは即答できるかもしれませんが、
おそらく大半の人が『思い出せないくらい前』もしくは『受けたことがない』のではないでしょうか。
何が言いたいのか大体分かってきたかもしれませんが、
予防系の商品やサービス、将来の痛みへの対策系だけでは〝私たちは買わない〟ことが現実です。
反対に、
- 冷たい飲み物を飲みだけで虫歯が痛い、早く治したい
- 糖尿病を宣告されてしまった、一刻も早く数値を安定させないと命が危ない
- 身体の○○が痛くてどうしようもない、仕事にも生活にも支障が出る
上記のような場合にはすぐにでも、多少費用がかかってでも何とかしませんか!?
これらは『予防系』とは対極に位置する『今ある痛みや悩みを解決』するものです。
イメージできたでしょうか??
今すぐに解決する系は売れやすいし多少価格が高くても売れてしまう。
一方、将来への備えである予防系はとっても重要であるはずなのに、なかなか売れない。売れにくい。。
ですから、予防系や未来の時間軸に価値を置いたサービスを、今すぐ解決系にもちょっと転換できないかなと考えてみましょう。
予防が大切なことは言うまでもありませんが、理解して納得して購入してもらうためにも、まずは痛みを解決して信頼を勝ち取ることも、立派な戦略と言えるのではないでしょうか。
こんな流れですね。
今ある商品ラインナップを見て、導線ができているかを見直してみると、新たな気づきがきっとありますよ!
『売れないな』と判断したら時には切り捨てる判断も大切
時間やお金、情熱を注いでいると、切り捨てるという選択はとっても難しいものです。
これは誰でも同じなんですよ。
とはいえ、客観的に判断すれば売れないと分かりきっているのに、いつまでもこだわってしまうのはあまりにも勿体ないです。
時には切り捨てる勇気も必要です!!
ある中小食品メーカーの話。
ある中小食品メーカーは『絶対に売れる』と見込んで開発した商品が全く売れず、途方に暮れていました。
絶対に売れるという確信は、顧客の声を反映したものではなく、経営者自身の考えや側近の同意のみ。
(※ここがそもそも大きなミス!!)
影響力の大きな社長の一声からプロジェクトが始まり、社員一同で取り組みました。
どうしても売りたい気持ち、きっと売れるだろうという期待!
しかし致命傷だったのは『顧客の欲求を全く反映していない』こと。
営業は必死になって顧客へのアプローチを繰り返すものの、反応は今ひとつどころか『結局何が良いの?』と聞かれてしまう始末。
製造は『売れるから大量に生産しろ』というトップダウンでの指示もあり大量生産の計画を立てていたが、全く売れることがなく原料も人的資源も大きなロス。
今はまだ認知されていないだけ、認知させれば必ず売れる!
こんなにお金も時間もかけたし、情熱がある!
という『強すぎる思い込みとこだわり』から多額の資金を投入するも結果には繋がらず。
大赤字。。
社員の賞与支払いにも苦労する始末。
顧客にも相手にされることなく、毎月赤字が大きく積み重なっていくのに、撤退できない。
サンクコストという罠
心理学にサンクコスト(埋没費用)というものがあります。
簡単に表現すると『投入したお金や時間など、失ってしまったものを過大評価』しやすくなることを表します。
ちょっと種類は違いますけど、別れた恋人のことを強く後悔する心理にも似ていますね。
(違うかな?違っていたらごめんなさい。。笑)
個人で例えるとしたらゲームなんかだと分かりやすいかもしれません。
期待感を持って高いお金を払って購入したけれど、予想していたよりも楽しくない。。
でも、期待していたしせっかく買ったのだから最後までプレイしたい!最後までプレイしよう!という心理や行動ですね。
実際のところは楽しくもない時間を大量に消費していますし、全く意味を持たない行為。
いかがでしょうか??
全く売れないけど切り捨てることができない、方向転換できない。
そういった悩みをお持ちであれば一度サンクコストの罠にハマっていないかを考えてみる必要があります。
お金・時間・情熱を込めた商品やサービスを捨てること、方向転換することはとても勇気が要ることですし、精神的にも辛いです。
辛いですが、決断をせずこだわり続けていると、精神的な痛みだけではなく経済的にも大きな打撃を受けます!
『売れない』と判断したら潔く捨てる覚悟、これも必要なことです。
タイトル通り、売れないものは売れないのが現実でもあります。
売れない商品に対して労力を注ぎ込むのではなく、今は売れていないけど売れる見込みのある商品、に対して力を入れましょう!